家系図づくりは、名前を線でつなぐだけでは終わりません。出生地、婚姻関係、古い写真、史料の出典も整理する必要があります。Swarm はそれらをMacの作業画面にまとめつつ、家系図をオンラインアカウントではなく、自分のフォルダに保存するアプリです。
本記事は v3.5.7の公式資料、配布ファイル、ソース構成を確認してまとめた紹介で、実機レビューではありません。対象はsamoilevの家系図アプリです。同名の別プロジェクトや、開発ブランチだけの機能とは区別しています。
家系全体と、二人の関係を見渡す
Swarmには家系図、扇形の祖先図、出生地・死亡地・埋葬地を示す地図があります。人物ごとに写真やファイルを添付でき、人物一覧、タイムライン、場所、史料と引用の作業画面からも情報をたどれます。大きな図だけに頼らず、増え続ける資料を整理できる構成です。
特徴の一つは英語とロシア語の親族呼称です。直系だけでなく、片親を共有する兄弟姉妹、世代の離れたいとこ、婚姻による親族関係も扱います。任意の二人の関係を確認できますが、UIも英語とロシア語のみ。日本語の親族呼称や日本語UIへの対応を意味するものではありません。
GEDCOMで移行先を選べるようにする
v3.5.7で公式に案内されている形式はGEDCOM 5.5.1です。Ancestry、Gramps、MyHeritageなどとのデータ交換を想定し、アプリが直接扱わない出来事の注記、史料レコード、独自タグも編集後の書き出しまで保持すると説明されています。読み込み元はoriginal-import.gedとして保存されます。実際の移行前には原本を別途保管し、コピーで人物関係と添付資料を確認しましょう。
別の家系図を統合する際は、完全一致する人物を識別し、候補となる人物を提案します。公式説明では統合前にバックアップを取り、失敗時には元に戻します。PDFは図に続いて写真・添付資料付きの人物カードを出力し、全員または選択した人物に絞れます。アーカイブ出力では家系図とメディアをまとめ、ファイルごとのチェックサムも付けます。
ローカル中心。ただし地図の通信には注意
家系図は~/Library/Application Support/Swarm/に、一つずつフォルダを分けて保存されます。保存時の検証、直近50版の履歴、削除データの30日間保持が公式に説明されています。ただし、こうした復元機能は別ディスクなどへの独立したバックアップの代わりにはなりません。
アカウントは不要で、クラウド家系図サービス、テレメトリー、AI機能もありません。地名検索は同梱のGeoNames索引を使います。一方、任意で使うApple Mapsは通信し、表示した地域がAppleに伝わる場合があります。通信を避けたい場合は設定でOffline Mapを選びます。家系図がローカルにあることと、どの設定でも一切通信しないことは別です。
インストールは公式DMGから
確認時点で、このプロジェクトの公式App Store掲載は見つかりませんでした。Swarm 3.5.7 DMG をダウンロードし、詳細は リリースページ で確認できます。Universal Binaryで、macOS 15以降のAppleシリコンとIntel Macに対応。Liquid Glassの外観にはmacOS 26以降が必要です。
DMGを開き、SwarmをApplicationsにドラッグします。現在の配布版にはApple Developer ID署名と公証がありません。公式の配布元だと確認し、この点を理解したうえで一度起動を試し、「システム設定 → プライバシーとセキュリティ → このまま開く」から確認します。Mac全体のセキュリティ機能は無効にしないでください。
ダウンロードの整合性を確認するには、SHA-256ファイル をDMGと同じフォルダに置き、そのフォルダで次のコマンドを実行します。配布者のチェックサムとの一致は、Appleによる公証や第三者の安全性監査とは異なります。
shasum -a 256 -c Swarm-3.5.7.dmg.sha256キュリー家のサンプルから試す
最初から個人の家族資料を使う必要はありません。公式の キュリー家サンプルZIP を展開し、SwarmでEnglishを選びます。Import GEDCOMでは.gedファイルだけでなく、curie-joliotフォルダ全体を選択してください。写真や添付ファイルも一緒に取り込めます。
公式手順では、プレビューに座標のない国名が二つ表示されると案内されています。内容を確認し、Continue with these warningsにチェックして読み込みます。別のコピーが作成され、ダウンロードしたサンプルは変更されません。マリー・キュリーを選び、祖先図やPDF出力を試してから、自分の資料の整理方法を考えられます。
向いている用途と、できないこと
Finderで見つけられる移行可能な家系図を持ちたい人、英語またはロシア語のUIを使える人には、Swarmの方向性が合いそうです。ただし歴史資料の検索サービスではなく、オンライン史料データベース、DNA照合、クラウド同期はありません。公開issueで不具合を報告するときも、実際の家族のGEDCOMではなく公式サンプルで再現しましょう。
ライセンスと入手先
ソースコードは GNU GPL v3.0 です。GeoNamesはCC BY 4.0、Natural Earthの地図データはパブリックドメインで、詳細は 第三者の権利表示 に記載されています。Swarmの名称とアイコンはGPLの対象外で、forkを再配布する場合は変更するよう案内されています。通常の利用は 公式リリース から始められ、Swiftの開発環境は不要です。
プロジェクト情報
- ライセンス
- GPL-3.0
- 対応環境
- macOS 15以降/Appleシリコン・Intel/Liquid GlassはmacOS 26以降
- 実装言語
- Swift / SwiftUI
- 確認したバージョン
- v3.5.7(2026-09-22確認)
インストール
open https://github.com/samoilev/swarm/releases/download/v3.5.7/Swarm-3.5.7.dmgデモ

ライセンスの概要
ソースコードはGPL-3.0。地名・地図データには別の条件があり、Swarmの名称とアイコンはGPLの対象外です。



