Macのパネルに並ぶ検索可能なクリップ履歴カードから、クリップボードへ項目を戻すコンセプトイラスト。Clipbaraの実画面ではありません。

Clipbara for Mac:ショートカットで呼び出すローカルなクリップ履歴

Clipbaraは、コピーしたテキストや画像などをMac内に保存し、検索できるカード型のクリップ履歴パネルです。

要点
  • ⌘⇧Vで現在のアプリからフォーカスを奪わない検索可能なクリップ履歴パネルを開けます。
  • 履歴はSwiftDataでMac内に保存され、アプリ除外やPinboardsに対応しますが、クラウド同期はありません。
  • App Store版とGitHub DMG版は異なるBundle IDを使い、履歴も別々に保存します。
  • 通常は公式Mac App Storeから導入し、ストアが地域で利用できない場合のみ署名・公証済みDMGを使います。

⌘Cは簡単でも、数分前にコピーしたものを思い出すのは意外と難しいものです。Clipbaraはコピー履歴を検索できるカード型パネルにまとめ、⌘⇧Vで呼び出しても、作業中のアプリからフォーカスを奪いません。

カードを選ぶと、その内容がクリップボードに戻ります。貼り付けは自分で⌘Vを押します。ほかのアプリへ勝手に入力するのではなく、必要な項目をすばやく取り出すための履歴ツールです。

ひとつのショートカットで呼び出すパネル

⌘⇧Vを押すと、画面下部にコンパクトなパネルが開きますが、現在のアプリは引き続き前面に残ります。履歴を検索したり移動したりして項目を選び、編集中の書類やメッセージに戻れます。

選択と同時に自動で貼り付ける動作はありません。Clipbaraは選んだ内容をシステムのクリップボードへ戻してパネルを閉じるだけで、最後の⌘Vはユーザーが実行します。別アプリへキー入力を注入する権限に頼らない設計です。

テキスト以外も履歴に残せる

プロジェクトが挙げる対応形式は、通常のテキスト、リッチテキスト、HTML、画像、リンク、ファイル、色、コードスニペットです。履歴はカードとして並ぶため、画像や色のように見た目で区別したい項目を見つけやすくなっています。

内容、タイトル、コピー元アプリで検索し、種類や日付で絞り込めます。Quick Lookならアプリを切り替えずに大きなプレビューを確認できます。最近のリリースでは画像全体を表示して拡大する操作も追加されています。

Pinboardsで繰り返し使う項目を整理

Pinboardsは、何度も使うクリップを名前付きでまとめる機能です。定型文、コード片、プロジェクトのリンクなどを、毎回履歴全体から探さずに済むよう整理できます。

項目の名前変更、Pinboardへの移動、削除はコンテキストメニューから行えます。ドラッグ操作やキーボード移動、保存件数の上限も用意され、別のノートアプリを作り込むのではなく、履歴にほどよい整理を加えています。

画像クリップはQuick Lookで再利用前に確認できます。最近のバージョンでは画像全体に合わせた表示と拡大ができるため、似たスクリーンショットをサムネイルだけで見分けにくい場合にも役立ちます。

機密情報をコピーする前に除外設定を

クリップボード管理アプリは、コピーしただけでパスワードや復旧コード、個人的なメッセージに触れる可能性があります。Clipbaraはアプリ単位の除外に対応しているので、履歴に頼る前に「設定 > 除外」でパスワードマネージャーなどを登録してください。

履歴件数の上限や、ピン留めしていない項目を消去するショートカットもあります。ただし、コピーした秘密情報が無害になるわけではありません。仕事用・個人用アカウントで使う前に、除外対象とPinboardsに残る項目を確認しましょう。

ローカル保存の代わりに同期はない

リポジトリによると、クリップ履歴はSwiftDataを使ってMac内に保存され、アカウント、サーバー、分析機能はありません。キャプチャ、検索、プレビュー、貼り付けはオフラインで動作すると説明されています。App Storeのプライバシー欄にも開発者の「データを収集しない」という申告がありますが、独立した監査結果ではありません。

ローカル中心であることの裏返しとして、Clipbaraはクラウドクリップボードではありません。履歴が別のMacへ自動で引き継がれることはなく、JSONの書き出し・読み込みで手動移行します。バックアップと復元はできますが、常時同期とは異なります。

まずはMac App Storeからインストール

通常の利用なら、プロジェクトが案内する公式Clipbara Mac App Storeページから始めてください。macOS 14 Sonoma以降が必要です。2026-09-28の確認時点で、ストア版はバージョン1.3.3でした。

お住まいの地域でApp Store版を入手できない場合、プロジェクトは署名・公証済みのClipbara v1.3.2 DMGも配布しています。リンク先は公式GitHub Releaseです。ソースアーカイブではなく、そのまま使えるインストーラーです。

どちらの版も導入にXcodeは必要ありません。ソースからのビルドは、コードを調べたり変更したりする開発者向けの任意の方法です。

App Store版とDMG版の履歴は別々

Mac App Store版はApp Sandbox内で動作し、ストア経由で更新されます。DMG版はSparkleで更新します。Bundle IDが異なるため、クリップ履歴の保存先も別です。一方をインストールしても、もう一方の履歴が自動で統合されるわけではありません。

版を移すときは、古い方の「設定 > 一般 > バックアップ」からJSONを書き出し、新しい方で読み込みます。既存項目は保持され、重複はスキップされます。App Store版とGitHub版はバージョンがずれることもあるため、番号が同じだと思い込まず各配布先を確認してください。

同時に起動するのは一方だけにしましょう。2つの版が⌘⇧Vを同時に登録すると、別々のパネルが開くことがあります。利用する配布経路を決め、履歴を移してから、もう一方が自動起動しないようにします。

パネルの中身はネイティブMacアプリ

READMEによると、ClipbaraはSwift 6で書かれ、AppKitのNSPanel上にSwiftUIの画面を載せています。ローカル保存にはSwiftData、グローバルショートカットにはKeyboardShortcuts、DMG版の更新にはSparkleを使用します。他のアプリをアクティブにしないパネルに合った構成です。

git clone https://github.com/mobrava/Clipbara.git
cd Clipbara
brew install xcodegen
xcodegen generate
open Clipbara.xcodeproj

GPLのソースとApp Store版の条件は別

リポジトリのLICENSEはGNU GPL version 3です。一方、プロジェクトREADMEはMac App Store版を権利者が別のプロプライエタリライセンスで配布すると説明しています。公開ソースの再利用とストア版バイナリの利用条件は別なので、App Store版を入れたことでGPLソースと同じ権利が得られるとは考えないでください。

Clipbaraはどんな人に向いている?

コピー履歴をキーボードで検索したい、複数形式のクリップをプレビューしたい、よく使う内容を近くに置きたい人に向いています。フォーカスを奪わないパネル、幅広いクリップ形式、Pinboards、ローカル保存が主な魅力です。

複数デバイス間の自動同期や、選択と同時に前面アプリへ貼り付ける動作が必要なら、別のツールを検討してください。そうでなければMac App Store版を入れ、機密アプリを除外してから、まずは重要でないクリップで使い心地を試せます。

プロジェクト情報

ライセンス
GPL-3.0(リポジトリ。Mac App Store版は別途デュアルライセンス)
対応環境
macOS 14 Sonoma以降
実装言語
Swift 6、SwiftUI、AppKit、SwiftData
確認したバージョン
Mac App Store 1.3.3 / GitHub Release v1.3.2(2026-09-28確認)

インストール

# Open the official Mac App Store listing:
open 'https://apps.apple.com/app/clipbara/id6803537696?mt=12'

ライセンスの概要

リポジトリのソースコードはGPL-3.0です。開発者はMac App Store版をデュアルライセンスの一部として別個のプロプライエタリライセンスで配布すると説明しています。ソースの再利用とストア版バイナリの権利は分けて考え、正確な条件はリポジトリのLICENSEを確認してください。