ネオンのグラデーション上に表示された、Apple TV向けネイティブメディアプレーヤーOrivio TVのロゴ。

Orivio TV:Apple TV向けのネイティブSwiftUIメディアプレーヤー

Orivio TVは、Stremioアドオンのエコシステム、二つの再生エンジン、Siri Remote向けの操作を一つにまとめたGPLv3のネイティブSwiftUI tvOSメディアプレーヤーです。

要点
  • Orivio TVは、Apple TV HDとApple TV 4K向けにSwiftUIとtvOSでゼロから作られたOrivioの移植です。
  • 最新のv8.5 GitHub Releaseには、tvOS 17以降向けのSideloadly用と単独インストール用のunsigned arm64 IPAがあります。
  • AVPlayer/KSPlayerとFFmpegを自動フォールバック、埋め込み字幕、Siri Remote向けカスタムUIと組み合わせます。
  • App StoreやTestFlightの導入先は確認できないため、通常の利用にはサイドロードツールと自分のApple IDによる再署名が必要です。

Apple TVのメディアプレーヤーは、リモコンに合わせた最低限の再生画面になりがちです。再生できても、検索、フォーカス、早送り、字幕の操作は利用者が探さなければなりません。Orivio TVは別の方向を選びました。SwiftUIでゼロから作られたtvOSプレーヤーとして、Orivioのテレビ向け体験、Stremioアドオンのエコシステム、Siri Remoteのために設計された再生操作を一つのネイティブアプリにまとめています。

プロジェクトのリポジトリは OrivioTVAppleTV です。Android TV版OrivioのApple TV移植ですが、Androidコードをそのまま移したものではありません。現在確認できる最新リリースは Orivio TV v8.5 で、ライセンスは GPL-3.0 です。

できること

起動後のHomeは、静的なポスターのグリッドではありません。フォーカスを別のカードへ移すと、上部のヒーローが背景、ロゴ、IMDbバッジ、メタデータ、概要と一緒に切り替わります。その下にはアドオンのカタログ行と、再生位置を復元できるContinue Watchingが並びます。スマートフォンのリストを拡大した画面ではなく、テレビ向けのブラウズ体験です。

Orivio TVはStremioアドオンのエコシステムを使います。Cinemetaは標準でインストールされ、Settingsにアドオンの manifest.json URLを貼り付ければ追加できます。stremio://リンクにも対応します。ネイティブのtvOS検索は、現在の行だけでなく、検索に対応したすべてのアドオンカタログを対象にします。

詳細画面にはフルブリードの背景、ロゴ、メタデータのバッジ、キャスト、シーズン、エピソード行が表示されます。再生を選ぶと、利用可能なstreamアドオンへ並列に問い合わせ、結果をアドオンごとにまとめて画質バッジを付けます。自動選択と手動選択を切り替えやすい構成です。

二つの再生エンジン

HLS、MP4、MOV、fMP4などAppleのハードウェアパスに向く形式は、KSPlayerの KSAVPlayer を通じたネイティブエンジンで再生します。一般的なネットワーク動画では、tvOSのハードウェアデコードとシステムの再生能力をできるだけ活かす経路です。

MKV、AVI、FLV、TSなどはKSPlayerのFFmpegエンジン KSMEPlayer が担当します。埋め込みテキスト字幕とPGS/VobSubのビットマップ字幕にも対応し、ネイティブエンジンがストリームを受け付けない場合はFFmpegへ自動でフォールバックします。コントロールのvia表示から現在のエンジンを確認できます。

v8.5ではDolby Atmosの扱いも進みました。HDMI経路でAtmosと識別されるE-AC-3/AC-3コンテンツは、Dolby MAT 2.0として直接出力できます。TrueHDとDTS-HDは引き続きPCMへデコードされます。これはtvOS側の制約なので、すべての音声形式がbitstreamされると考えてはいけません。

Siri Remoteのための再生操作

再生操作は、タッチ画面の小さなボタン列を縮小したものではありません。コントロールを隠した状態でSiri Remoteのタッチサーフェスを左右にスワイプすると、Infuseに似たプレビュー付きスクラブになります。ゆっくり動かせば細かく、速く動かせば大きく移動し、目標時刻と差分を示すバブルが浮かびます。クリックで確定、Menuでキャンセル、6秒操作しなければ自動キャンセルです。

コントロールには再生、次のエピソード、字幕、音声、ソース、エピソード、速度、アスペクト比が並びます。進捗バーはフォーカス時にバッファ表示が強調され、停止時にはタイトル、キャストチップ、時計を確認できます。左右端のクリックは10秒スキップ、ソースとエピソードはサイドパネルから選べます。

リモコンの文法は、すべての操作に戻り道があるのが特徴です。Menuはスクラブのキャンセル、パネルを閉じる、プレーヤーを終了する順に戻ります。Play/Pauseは再生状態だけを切り替え、上下スワイプでコントロールを再表示できます。長い動画の位置を探すときに、隠れたジェスチャーを覚えやすい形へ整理しています。

インストール方法

Orivio TVのApp StoreまたはTestFlightの導入先は確認できませんでした。READMEには、TestFlightでサイドロードなしに配布するための資金を集めているとあります。そのため通常の利用者は公式の GitHub Releases からIPAを取得します。既存のサイドロード版を更新するなら Sideloadly IPA、別アプリとして入れるなら スタンドアロンIPA を使います。

# Open the latest release page:
open https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV/releases/latest

# Or download one of the v8.5 IPA assets:
open https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV/releases/download/v8.5/OrivioTV-V8.5.Sideloadly.ipa
open https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV/releases/download/v8.5/OrivioTV-V8.5.Sideload.ipa

どちらもunsignedのarm64 tvOSビルドで、対象はApple TV HD/4KとtvOS 17以降です。Sideloadly、AltStoreなどのツールがインストール時にあなたのApple IDで再署名します。App Storeの署名済みインストールではないため、IPAをダウンロードしただけでApple TVから直接開けるわけではありません。

既存のOrivioサイドロード版を更新する場合はSideloadly版を優先します。歴史的なbundle idを維持し、ライブラリ、再生位置、アドオン、Profileを引き継げるように作られています。二つの独立したデータ領域が必要なら通常のSideload版を選びます。実際の利用可否はApple ID、サイドロードツール、署名の有効期間にも左右されます。

最初の設定

インストール後はSettingsで使いたいアドオンを追加します。最も簡単なのは manifest.json のURLを貼り付ける方法です。stremio://のディープリンクもOrivio TVに渡せます。アドオンや解決可能なHTTPソースがなければ、プレーヤー自体が作品カタログを生成するわけではありません。

Orivioアカウント、Trakt、TMDB、デブリッドサービスは任意の統合です。Provider keyを空欄にしてもアドオン経由のブラウズと再生はできます。キーを設定すると、アカウント同期、Trakt機能、TMDBの追加情報などが有効になります。v8.5ではProfile同期、Real-Debridのトークン更新、AllDebrid keyの検証も改善されています。

コードを変更するときだけソースからビルドする

ソースビルドは開発者向けで、通常の利用者の第一選択ではありません。Xcode 16以降、tvOSプラットフォーム、XcodeGenが必要です。READMEのキーのテンプレート例は今も NuvioTV/Secrets.swift と書かれていますが、現在の project.yml のアプリtargetは OrivioTV ディレクトリをソースにしています。現在のcheckoutでは、XcodeGenがコンパイル対象にするソースディレクトリへテンプレートをコピーし、生成されたプロジェクトから見えることを確認してください。

git clone https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV.git
cd OrivioTVAppleTV
cp Secrets.example.swift OrivioTV/Secrets.swift

xcodegen generate
xcodebuild -project OrivioTV.xcodeproj -scheme OrivioTV \
  -destination 'generic/platform=tvOS Simulator' build

Provider keyはすべて任意で、Secrets.swift はgitignoreの対象にしておきます。初回ビルドでは大きなFFmpegKitのbinary xcframeworkもダウンロードされます。Metal toolchainが入っていなければ、先に xcodebuild -downloadComponent MetalToolchain を実行します。実機のApple TVへ入れる場合は、Xcodeで自分のsigning teamとデバイスを選びます。

先に知っておきたい制限

tvOS版はtorrentまたは infoHash だけのソースを処理せず、アプリ側で除外します。デブリッドサービスによってHTTPリンクへ解決されたアドオンソースなら再生できる可能性があります。「Stremioアドオン対応」はtorrentエンジン内蔵という意味ではありません。

OpenSubtitlesのような外部字幕アドオンのフローはまだ接続されておらず、埋め込み字幕がより確実な経路です。ハードウェア性能、配信元のレスポンスヘッダー、キャッシュ容量、HDMIレシーバーも再生結果に影響します。v8.5ではキャッシュの空き容量下限を4GBへ引き上げ、ソース失敗時のフォールバックを速くしていますが、すべてのソースとの互換性を保証するものではありません。

プロジェクトの更新は速いため、この記事の確認基準はv8.5 Releaseです。READMEに残る古いIPAファイル名よりも、現在の Releaseページ を優先してください。後続バージョンでファイル名、bundle id、導入ツールが変わった場合は、新しいReleaseの説明に従います。

ライセンスと境界

Orivio TVのコードは GNU GPL-3.0 です。確認、実行、ライセンスの範囲内での変更はできますが、変更版を再配布するときはGPLのライセンス、著作権、対応するソース提供義務に従う必要があります。KSPlayer、FFmpegKit、VLCKit、YouTubeKitなどにも個別のライセンスがあるため、メインリポジトリのGPLだけで全依存の条件を置き換えることはできません。

インストールすべき人

Apple TV HDまたは4Kを持ち、サイドロードツールを使うことに抵抗がなく、Stremioアドオン、複雑な動画形式、Siri Remote操作をテレビ上で一つにまとめたいなら、Orivio TVはv8.5 Releaseから試す価値があります。プレーヤーとリモコン体験の完成度が強みである一方、App Storeのワンタップ導入はなく、IPAの再署名にはApple IDが必要です。torrent-onlyソースと外部字幕にはまだ明確な穴があります。

プロジェクト情報

ライセンス
GPL-3.0
対応環境
tvOS 17以降 / Apple TV HD・Apple TV 4K
実装言語
Swift、SwiftUI、XcodeGen
確認したバージョン
v8.5(GitHub Release、2026-09-21確認)

インストール

# Open the latest GitHub Release:
open https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV/releases/latest

# Update an existing sideloaded installation with Sideloadly:
open https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV/releases/download/v8.5/OrivioTV-V8.5.Sideloadly.ipa

# Install the standalone bundle as a separate app:
open https://github.com/prehakanson-art/OrivioTVAppleTV/releases/download/v8.5/OrivioTV-V8.5.Sideload.ipa

ライセンスの概要

リポジトリはGPL-3.0で公開されています。変更版を再配布する場合はライセンス、著作権表示、対応するソース提供義務に従う必要があります。バンドル済み・ベンダー依存には個別の条件があります。